Lamp in S.B.S.
ネット物書き音沼紗春の日記。 日常と、文章について。 時々、サイトの更新情報。
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くらうんくらうんくらうん
道化師・CLOWN(王冠・CROWN 一字違い)
CROWN様とかけつつ、まあ、読んだ人にちょっとでも楽しんでもらえるような。
ついでに、かすみさんに立ち回ってもらう、とかそんな感じ。
を、企画様に捧げてきました。
前に書いたとおり、鍵で紐を切ったのはわたし。
倒れるから、って自転車を紐で縛ってあって。
雨とか晴れとかで摩擦力が強くなった紐をうまく解くことができず。
なので鍵でのこぎりみたく切っちゃいました、とか。
以下は王冠ボツねた×2 を短くしてみたもの。
▼
世界は普通で満ちている。
大通りの隅の歩道を1人で歩いて登校。
数番目の教室入り。
だんだんざわめいていく教室の中で読書。
友人が来たらそれにあわせて読書を中止、雑談。
先生が来て慌てて席に戻る。
たいした連絡も無く、授業。
眠たい授業。
面倒な授業。
わからない授業。
お昼に少し楽しい、平凡な給食。
楽しい授業。
どうでもいい授業。
辛い部活。
それでも、死にそうなわけではないし、そこまで熱血で青春でもない。
とても、平凡な。
そして数人と連れ立って、雑談しながら下校。
1人2人と別れて、最後に自分の家に到着。
なんて普通な。
なんて悲劇の無い。なんて喜劇の無い。
なんて平凡な毎日。
目の前に家。
後ろに振り返れば車道。
時速40kmほどの鉄の塊がとおりすぎていく。
一歩踏み出せば、光の輪が頭に乗せられて、ああ天国へ。
それだってきっと、ありふれた、平凡な事故。
家に帰ると、少しだけ予定調和。
女子大生のいとこが来ているとか。
しかしその予定調和も、平凡のうち。
『では、王位継承権はわたくしに?』
『ええ、そうですとも。貴方様が、女王。明日の継承式に出席願います』
両方ともいとこの彼女の声だ。
一人二役でもやっているらしい。
「『まさか、だって、そんな、わたくし、わたしが女王』あ、お邪魔してます」
彼女は確か女優の卵だ。端役でテレビ出演したこともあるとか。
今もそういう類のものの練習をしているらしい。
「今度ね、大学で劇の発表をするんだって」
母の説明に、適度に返事を返しておく。
狭い居間の片隅で演じているいとこと、ソファに座って見物する母と弟。
母の膝の上に、不思議な物体を見つける。
「ああ、これ? お芝居で王冠を使う、練習用の王冠なんだって」
視線に気がついた弟がそう答えた。
曖昧に返事を返す。
王。
そう、例えば。
平凡を終わらせるには、役者になってみるのもいいかもしれない。
金色の輪と純白の翼で天使、スーツと眼鏡で教師、白衣で医者、
赤のマントと金の王冠で、王。
役者になってみるのも、いいかもしれない。
了
▼
「おう、久しぶりじゃん」
「あー、ひさしぶりー、元気してた?」
「ん、まあまあ。で、お前ここでバイト中なん?」
「そーだよん。あ、いらっしゃいませ」
「…………」
「笑ったな、このやろうっ!」
「客は神だろうが!」
「知らないもん、いいの、あんたのこと客として認めていないんだから!」
「ひどいなあ」
「うっるさーいっ!」
「でさあ、さっきから何を頭に乗っけてるわけ? 何、王冠のつもり?」
「はい?」
「あ、丁度変えたとこだったんだ?」
「何を?」
「テープ」
「え、なんでわかるの?」
「……頭の上、のってる」
「ぎゃ、わ、忘れてたっ!」
了
CROWN様とかけつつ、まあ、読んだ人にちょっとでも楽しんでもらえるような。
ついでに、かすみさんに立ち回ってもらう、とかそんな感じ。
を、企画様に捧げてきました。
前に書いたとおり、鍵で紐を切ったのはわたし。
倒れるから、って自転車を紐で縛ってあって。
雨とか晴れとかで摩擦力が強くなった紐をうまく解くことができず。
なので鍵でのこぎりみたく切っちゃいました、とか。
以下は王冠ボツねた×2 を短くしてみたもの。
▼
世界は普通で満ちている。
大通りの隅の歩道を1人で歩いて登校。
数番目の教室入り。
だんだんざわめいていく教室の中で読書。
友人が来たらそれにあわせて読書を中止、雑談。
先生が来て慌てて席に戻る。
たいした連絡も無く、授業。
眠たい授業。
面倒な授業。
わからない授業。
お昼に少し楽しい、平凡な給食。
楽しい授業。
どうでもいい授業。
辛い部活。
それでも、死にそうなわけではないし、そこまで熱血で青春でもない。
とても、平凡な。
そして数人と連れ立って、雑談しながら下校。
1人2人と別れて、最後に自分の家に到着。
なんて普通な。
なんて悲劇の無い。なんて喜劇の無い。
なんて平凡な毎日。
目の前に家。
後ろに振り返れば車道。
時速40kmほどの鉄の塊がとおりすぎていく。
一歩踏み出せば、光の輪が頭に乗せられて、ああ天国へ。
それだってきっと、ありふれた、平凡な事故。
家に帰ると、少しだけ予定調和。
女子大生のいとこが来ているとか。
しかしその予定調和も、平凡のうち。
『では、王位継承権はわたくしに?』
『ええ、そうですとも。貴方様が、女王。明日の継承式に出席願います』
両方ともいとこの彼女の声だ。
一人二役でもやっているらしい。
「『まさか、だって、そんな、わたくし、わたしが女王』あ、お邪魔してます」
彼女は確か女優の卵だ。端役でテレビ出演したこともあるとか。
今もそういう類のものの練習をしているらしい。
「今度ね、大学で劇の発表をするんだって」
母の説明に、適度に返事を返しておく。
狭い居間の片隅で演じているいとこと、ソファに座って見物する母と弟。
母の膝の上に、不思議な物体を見つける。
「ああ、これ? お芝居で王冠を使う、練習用の王冠なんだって」
視線に気がついた弟がそう答えた。
曖昧に返事を返す。
王。
そう、例えば。
平凡を終わらせるには、役者になってみるのもいいかもしれない。
金色の輪と純白の翼で天使、スーツと眼鏡で教師、白衣で医者、
赤のマントと金の王冠で、王。
役者になってみるのも、いいかもしれない。
了
▼
「おう、久しぶりじゃん」
「あー、ひさしぶりー、元気してた?」
「ん、まあまあ。で、お前ここでバイト中なん?」
「そーだよん。あ、いらっしゃいませ」
「…………」
「笑ったな、このやろうっ!」
「客は神だろうが!」
「知らないもん、いいの、あんたのこと客として認めていないんだから!」
「ひどいなあ」
「うっるさーいっ!」
「でさあ、さっきから何を頭に乗っけてるわけ? 何、王冠のつもり?」
「はい?」
「あ、丁度変えたとこだったんだ?」
「何を?」
「テープ」
「え、なんでわかるの?」
「……頭の上、のってる」
「ぎゃ、わ、忘れてたっ!」
了
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