Lamp in S.B.S.
ネット物書き音沼紗春の日記。 日常と、文章について。 時々、サイトの更新情報。
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れれれれいんぼー
ああ、密室真実本編は4月6日で止まっているようだ。
というわけでレインボウ。
お借りしますはこめこちゃんとこのブログから「竹谷さんと赤坂さん」です。
タイトル通りのお二人おかりします。
竹谷柘哉・ちくやつかな、と赤坂雪・あかさかせつ。
つかなだけ単語登録で、ちくやはたけやで、よし、れっつごー。
というわけでレインボウ。
お借りしますはこめこちゃんとこのブログから「竹谷さんと赤坂さん」です。
タイトル通りのお二人おかりします。
竹谷柘哉・ちくやつかな、と赤坂雪・あかさかせつ。
つかなだけ単語登録で、ちくやはたけやで、よし、れっつごー。
・食べられたいのですね
部屋に入った瞬間、原稿用紙を踏みつけていた。こんなところで仕事をするのは、珍しいな。とか思いながらその原稿用紙を見つめると、不可思議な絵が大きく描いてあった。妙にカクカクしたそれの横には、くえっ、と書いてある。
風が吹き込む部屋の真ん中、ちゃぶ台の上の原稿用紙の束の上につっぷしているのは、俺の雪だ。我らが、ではない。眠っているのだろうか。風が髪の毛を揺らしても、体は指先一つ動かない。
「……雪」
足元に散らばった、落書だらけの原稿用紙を拾い集めて揃える。作家業なんかしているこいつだが、どうも行き詰っているらしい。その割には楽しそうなことしてやがりますが。
ちゃぶ台の脚のそばにひろいあつめた原稿用紙を置く。そのそばに小城を下ろしてうずもれた顔をのぞこうとする。
「雪? 寝てんのか?」
そっと頭の上に手を乗せた。頭は呼吸をしないから上下に揺れない。指の間で、風に押された髪が流れる。
「……赤坂?」
「起きてますよ、柘哉さん」
一瞬、幻聴かと思った。赤坂雪は、身動きを一切することなく言葉を発した。手をそろそろと伸ばして頬を突いた。
「そうか、起きてたか」
はい、と声がしたかと思うと頭が少しだけ回転した。そして指が食われた。頬を突いていた指だ。唇でくわえて、飴のように舐め始める。噛み千切られないのならいいや、と思ってそのままにする。
「ちくわさん、ちくわさん」
「お前は俺を食べるつもりなのか」
文字通り指先で言葉が発せられ、ひどくこしょばしい。
「わたひは食べられる側だと思いまふ」
「別にそういう話じゃあない」
「もぐもぐ」
「食うな」
「ちゅかなさんはちくわです」
「お前は寝ぼけているんだな? そうなんだろっ?」
「いえ、全然」
がばっ、と起き上がり、きらきらした目でこちらを見た。嬉々として俺が拾い集めた原稿用紙を投げ出した。唾液で濡れた指を雪の服の裾で拭いながら、ひらひらとあたりをまう原稿用紙を見やった。愛してます、とか大きく描いてあるのが見えた気がするが、きっと気のせいだ。
「ほら、ちくわです」
一枚を選び出して、それを目の前に突きつけられた。確かに、なんだか細長い物体と「ちくわ」という文字が書かれている。ふむ、ちくわだ。
「赤坂、なんでこんな話をしているのだったか俺は忘れてしまった」
「わたしも忘れました。ちくわさん!」
そよそよと風が吹いて、部屋中に散らばった原稿用紙と、机の上のまっさらな原稿用紙がそれぞれに舞い上がった。
「竹谷さん、竹谷さん、竹谷さん」
「なんだ」
「竹谷さん!」
「なんだ、赤坂」
くすくす、と雪は笑う。
「なんだか、まぬけですね」
まるで、くにゃくにゃな棒に穴が開いてるみたいです。そう付け足して、けらけらと笑う。頬をつねろうと手を伸ばしたら、また指を食べられた。
「ちくわさん」
食うな。
*
ちくわ。食べられたいんですね。は「人類は衰退しました」って本から。
お話は、ええと、ノリで、書いたの、だけど、うーん?
楽しかったですとてもうふふ!
名前の呼び合うのも楽しいけど、ちょっと戻ってみたら、なんか変だねとでもいうか。
要するにちくわです。
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