密室真実レインボウ

密室真実です。
レインボウ＝虹＝二次＝二次創作。
つまりレインボウ＝二次創作。そんな感じ。
レミネさんとこ（蒼色狂想曲）のアンダーワールドの二次創作ね。

Ｂのこめちゃんとこはどうするんだろう、とか思ったけど気にしちゃいけない。
今後はＢじゃなくてレインボウにしようかな。
てかどうせカテゴリは全部密室真実だしね。

というわけで。本日更新の「遊慧と猫の狂想曲」より、没シーン（？）を。
考えてたんだけども、うまく入れられなかったし、話が違っちゃいそうだったのだよ。
んでも惜しいので、密室真実化。

・遊慧と猫たち

　楽園と地下世界の、多分丁度境目辺り。中途半端にできてしまったそのスペースに、ごそごそと動く影があった。薄暗いその場所で、赤い涙のマークが揺れる。遊慧だ。
　でこぼこと歩きにくいそこを滑るように歩いて、遊慧は一番奥までたどり着く。しんと静まり返っていたが、遊慧がしばらく止まっていると、ゆっくりと気配が近付いてきた。
「そろそろ覚えてくれたかなって」
　遊慧はしゃがみこみ、近寄ってきた猫の頭を撫でた。にゃーん、とその猫が鳴き、あちこちから猫たちが集まってきた。にゃーん、という鳴き声が歌のように重なり、辺りにぶつかって複雑に響いた。遊慧は背負っていた箱を開けると、中の袋を取り出す。箱を下に置くと、猫達がそれで遊び始めた。中に入ったり爪を立てたり噛み付いたり。
「こらこらって。やめとけって」
　軽く笑って言う遊慧だが、猫はもちろんやめない。よいしょって、と掛け声をかけながら袋を破り、遊慧はその中身を少しだけばら撒いた。にゃーっ、と叫んだような声が聞こえ、中身が落ちたところに猫達が突進して言った。ほれって、と遊慧はまた別の場所に中身をばら撒く。
　にゃあにゃあ、とうるさくキャットフードに走り寄る数多の猫達は、みな薄汚れていた。町を歩けばみなに敬遠される程に土がこびりつき、当然毛並みもよくない。行儀悪くキャットフードを漁る彼らは、すなわち捨て猫だった。
「食えって、食えって。頑張って食えって」
　遊慧は言いながら鳥の骨をしゃぶった。昼食に出てきたもので、隙間にこびりついている肉がもったいなくてずっとしゃぶっているのだった。ふと思いついて、足元に落ちていたキャットフードに手を伸ばす。土を軽くはらって、見つめる。ドッグフードを食べた話は聞いたことがある。意外とおいしいらしい。多分、キャットフードも食べられるはずだ。猫パンチが飛んだ。
「あっ」
　持っていたキャットフードが弾き飛ばされ、猫の一匹に食べられた。あー。と呟いて遊慧は骨をしゃぶる。
「なんか俺の方がみすぼらしいって。馬鹿みたいだって」
　ぽつりと呟くと、膝に上って、遊慧の鳥の骨に手を伸ばす猫がいた。遊慧はそっと立ち上がる。たたん、と猫は器用に下に降り、遊慧を見上げた。
「これは食うなって」
　からあげを猫に食べさせない方が良い、と聞いたことがあるような気がしたのだ。人間の食べ物は、あまり食べさせてはいけないらしい。遊慧はキャットフードを競って食べる猫達を見下ろして、鳥の骨をしゃぶる。やがて、その場にしゃがみこんだ。
「俺の話聞けって」
にゃあ
「メイドのお気に入りのコップ割っちゃったんだって」
にゃあ
「すっげえ怒られたんだって」
にゃあ
「でも俺のコップも割れたんだって」
にゃあ
「ショックだったんだって」
にゃあ
「そんなときに怒られたんだって。俺泣いちゃうって」
にゃあ。
　遊慧はうう、と泣くまねをして見せた。あちこちでにゃーにゃーと声が上がる。遊慧はそっと顔を上げた。
「なんだって。お前ら慰めてくれるのかって」
にゃーにゃーにゃー
「ありがとうだって。またえさ持ってきてやるって」
にゃああああああぁぁぁぁぁぁ。
　遊慧はおかしそうに笑うと、立ち上がって、ぼろぼろになった箱と袋を取り上げる。骨を咥えなおし、しがみついた猫を降ろす。
「じゃ、またなって」




＊＊
捨て猫達と戯れるゆえたん。みたいな。お前動物嫌いなんじゃなかったのか。という。←
いいじゃん。猫いいじゃん。
萌えポイントは骨しゃぶってるとことキャットフード食べようとするとこと猫に話しかけるところと泣きまねです。
多すぎるぜゆえたんだものぎゃふん。

大変失礼いたしました。