Lamp in S.B.S.
ネット物書き音沼紗春の日記。 日常と、文章について。 時々、サイトの更新情報。
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密室真実Bのラストー
密室真実B、遊園地のお話のラストなのですー。
大盛況(主にわたし)の密室真実遊園地なのですが。
残念ながら今回が最後なのです。
はっきり言おう。
ひっくりかえします。ほっとけーき。
そんな感じ。やべえ勘のいい人はこれで気がついてしまう。笑
ええとええと、遊園地のシメってことで、そりゃあもうこれっきゃないぜっ、って感じの乗り物なのです。
多分短いのだよ。
あ、長くなっちゃった。笑
1時半に完成しましたですよー。
大盛況(主にわたし)の密室真実遊園地なのですが。
残念ながら今回が最後なのです。
はっきり言おう。
ひっくりかえします。ほっとけーき。
そんな感じ。やべえ勘のいい人はこれで気がついてしまう。笑
ええとええと、遊園地のシメってことで、そりゃあもうこれっきゃないぜっ、って感じの乗り物なのです。
多分短いのだよ。
あ、長くなっちゃった。笑
1時半に完成しましたですよー。
・遊園地なのです 後編
「うわーお、気がついてみればそろそろ日が沈んできてるんじゃん」
建物の中から出てきたクラシコが空を見上げていった。振り向いてディオとザンに手招きをする。同じような面持ちで出てきた二人の手を、クラシコは当然のように手に取り、嬉しそうに微笑んだ。
「クラシコ、疲れた? そろそろ帰る?」
「うん、そうだね。そろそろ帰ることを前提にして、もうちょっと遊ぶ」
「なんだお前ガキみたいなかわいいこと言ってんじゃねえよ」
ザンがクラシコの頬を指で刺した。くすくす笑いながら、痛いー、と体をよじる。濃いオレンジ色の光が辺りを照らしている。クラシコは二人の腕を引いて、適当な方向へと歩き出した。
適当な会話をしながら、クラシコは適当な土産屋へと入っていく。中へ入ったところで手を離し、自由散策だ。ザンとディオがゆっくり見て周り、クラシコは飛び回るようにあちこちを駆けていく。
ピアスコーナーをつまらなさそうに見ていたザンは、ふと目をとめる。1つの小さなピアスに手を伸ばそうとしてやめる。
「何々、欲しいの?」
目ざとく見つけたクラシコがそれを手に取った。ふうん、と舐めるようにピアスを見ている。
「こういうの、珍しい形じゃねえ?」
「そうかな、結構あると思うけど」
あっそう、と返したザンがピアスを取り返そうとするが、クラシコはひょいとよけた。ザンは眉間にしわを寄せる。
「欲しいなら、私が買ってあげるよ」
「別に……」
言いかけたところで、こちらを真剣な表情で見上げるクラシコに押されて口をつぐむ。無言のままやりとりをし、ザンはため息をついた。
「買ってくれ」
「よし、わかった。あ、これでいい?」
「どれでもいい。お前が選んでくれると嬉しいんだけど」
「じゃあこれにしておくね」
軽く肩をすくめ、ウインクをしてからクラシコはピアスを持ってレジへと走っていく。ザンは歩きながらその後を追いかけ、追いついたのは丁度会計が終わった時だった。小さな袋が、差し出される。
「ザン、愛してるよっ」
「ばか」
言いながら片手で受け取る。ザンは満面の笑みを浮かべるクラシコを真っ直ぐ見つめようと思って断念した。あまりにも、かわいすぎる。
「他のもの見てくるよっ」
クラシコがそう言って背を向けてから口元に手をあて、こっそりとザンは笑った。入り口近くまで戻って、適当な柱に背を預ける。小さな袋を見て、また小さく笑った。取り繕うように店内に視線を走らせ、小さな白い姿を探した。ぬいぐるみコーナーにいるようだった。
「ディオディオディオ、どうしたの、何かかわいいぬいぐるみでもあった?」
「うん、あった。どっちかほしいけど」
ぬいぐるみコーナーの前、のほほんとした表情でディオは棚を見つめていた。そっと手を伸ばしたのは2つのぬいぐるみだった。ひよこと、ペンギンのようだった。
「どっちもかわいいなあ」
頬を緩ませ、嬉しそうに微笑むディオ。クラシコはその横顔を穴が開くほど見つめてから、他のぬいぐるみの頭をつかんだ。猫だった。
「こっちじゃだめなの?」
「だめ」
ディオは、どうやらその二羽の鳥に心を奪われているようだった。クラシコはほうとため息をついてみせる。ディオが顔を上げた。
「私じゃだめなの?」
ただの意地悪のつもりだったが、ディオはきょとんとした。クラシコもその表情にきょとんとした。
「あれ、クラシコってぬいぐるみだったっけ?」
それは、クラシコはクラシコでぬいぐるみはぬいぐるみだ、と言いたいようにも、本当に言葉通りのようにも聞こえた。どっちもなのだとクラシコは結論付けた。クラシコはそのまま、笑みを浮かべてひよこの頭をつかんだ。
「どっちも買えばいいじゃない」
「ぬいぐるみはどうも2つ同時に買うものに思えないから嫌だ」
「変なこだわり」
クラシコが苦笑して見せても、ディオは真剣にひよことペンギンを見つめている。クラシコはペンギンの頭もつかむ。
「じゃあね」
ひよこをディオの胸に押し付け、ペンギンを自分の胸に押し付けた。
「これはディオの、これは私の、ってことで買えばいいよ」
「それはいいなっ!」
ディオは嬉しそうに笑顔を弾けさせると、クラシコの腕を引いて、レジの方へと突進していった。2つの小鳥がバーコードを読み取られる。
「えへ、ディオとおそろいのぬいぐるみさんだね」
「ん? ああ、うん、そうだなあ」
のほほんと、ディオは微笑みを浮かべる。クラシコはディオの腕を引いたまま、おまたせ、とザンの元へ駆け寄る。ザンとも手をつなごうと手を差し出す。クラシコがにこりと笑うのに対し、ザンはやや苦笑気味に笑った。
「さーて、最後は観覧車だよねっ」
両手を二人とつないだまま、クラシコは観覧車を見上げた。10分待ちの行列の、そろそろ10分というところだ。首筋をさらして真上を見上げるクラシコ。ザンとディオも、つられるように上を見上げた。白い骨組みに、7色に塗り分けられたゴンドラ。下から見ると、まるで幾何学模様だった。
「赤色がいいなっ」
わくわくした様子で言うクラシコ。やがて目の前から恋人や家族連れがいなくなり、観覧車の係員と出会う。作業着のようなものを来たその男は、満面の笑みを浮かべてゴンドラへと案内した。足元に気をつけてください、と言われて足元を見ながら、クラシコ、ディオ、ザン、という順で赤いゴンドラの中へ入っていく。
「では、空の旅を楽しんでくださーい」
がちゃりとゴンドラの扉が閉められた。赤色だ、と喜ぶクラシコ。ゴンドラは4人乗りのようで、あちら側とこちら側に二人ずつ座れるようだった。ザンとディオが一瞬火花を散らしたが、クラシコが1人で二人分の席を陣取ったので、二人はそのまま隣り合って座った。
「てめえもうちょっと向こう行けよ」
「えー、無理。お前が向こう行けばいいじゃん。でぶー」
「落とすぞてめえ」
クラシコは座席に腰掛けたまま、左右を楽しそうに見ている。ザンとディオもそちらを見るが、大して面白いとは思わなかった。
「あ、あれってあのホラーハウスかなあ」
「違えだろ、ホラーハウスはあっちだって」
「じゃあアレは何だ?」
「うーん、じゃあ、あの船の奴か。周りがCGでぐるぐるの奴」
「なるほどディオがゲロ吐いたところだな」
「言うなこのやろう」
クラシコが窓にへばりつき、あちこちを指差す。遊園地全体を見て、行っていないところはどこだと、クラシコははしゃぐ。遊園地の外側は森ばかりで、大してめぼしいものはないため、遊園地の中ばかりしか見ない。
やがて、頂上が近づいてきた。
「はっはっは、人はごみだ!」
「断定すんなよ」
クラシコは座席に両膝をついて背側の窓にへばりついている。丁度お尻をディオとザンに向けている形だった。しっぽを振っているつもりなのか、時折嬉しそうに左右に揺れた。
「ああっ!」
ゴンドラが揺れるほどの勢いで突然クラシコが振り向く。揺れも重なって、ディオとザンは飛び上がるほど驚く。そして、クラシコは素早くディオとザンにキスをした。
「頂上に来たら、やっぱりチューしなきゃだめだよね」
嬉しそうに言いながら、クラシコはまた座席に膝をついてお尻を振り始める。今度は上機嫌に鼻歌まで歌い始めた。
ディオは、一瞬だけ触れ合った唇をそっと押さえた。ふふ、と小さく笑ってしまう。それを、ザンは見ていた。ディオが気がついて、眉間にしわを寄せる。
「何」
「や、別に」
ディオは口を尖らせて、ザンから顔を背けるように窓の外を見た。だが、暗くなりつつあるゴンドラ内には明かりが灯り、角度によっては窓が鏡のようになっており、つまりザンからはディオの表情が見えた。また、くふふと嬉しそうに笑う。
ザンは音を立てずに腕を伸ばし、後ろからディオの顎をつかむ。彼が驚いて声をあげる前に振り向かせ、唇を重ねた。目を見開くディオだが、目を閉じたザンは舌をいれ、軽く絡ませてから離した。
な、と声をあげようとしたディオの唇に、ザンは人差し指を当てた。にやり、とザンは嬉しそうに笑っていた。顔を赤くするディオの耳元に口を寄せ、息を吹きかけてキスをしながら、気付かれるぜ、と囁いた。ディオはくすぐったそうに目を閉じる。ザンは面白そうに笑った。
「あ、そういえばさ」
ふと思いついたようにクラシコが振り返る。ディオはうわあ、と叫びながら、飛び上がるほど驚いてみせた。にやりと上機嫌なザンは、余裕を持って、どうした、と聞いた。クラシコはディオの様子に軽く首を傾げながら、口を開く。
「どのアトラクションが一番面白かった?」
嬉しそうに、座りなおしながらクラシコが聞いた。ディオは両手をお頬に当てながらうつむいている。ザンはそれを横目で見てから、小さく笑った。
「ここかな」
「何、ザンって観覧車好きなの? 意外ー」
クラシコは眉尻を下げながらおかしそうに、口元に手を当てて上品に笑った。
「あ、そろそろ一番星が輝くころかな」
幻想的な詩のような響きで、クラシコはぽつりと呟いた。
クラシコにつられるようにディオやザンも窓の外を見上げる。まだ、一番星は見えない。ザンはディオの手の平の内側を、そっとひっかいた。
***
長っ。笑
いやあ、最初に建物から出てきたら、そのまま観覧車に行く感じじゃなくて、妄想止まらなくてこんななりました。にやけるザン最高。
補足になりますが、ザンはピアス買ってもらいましたが、あ、これ舌ピなんだよ。ええと、クラシコとディオはおそろい。なのでザンは苦笑なんだぜ。
んで予定してた、定番観覧車。で、ひっくりかえしてみました?
っつうか実はこれを一番最初に思いついたっつうか、メイン?
ザンクラ、勢い余ってザンディオっ☆
よくないっすかよくないっすか微妙によくないっすか。笑
これがあったから、番外編のテーマも「勢い余って」なのです。
勢い余って他カプ。ザンクラ、ザンロテ、サンバジ、エキザン、ザンディオ。ザン、手出しすぎ。笑 いや、わたしが出させてるんだけどね。
ところでザンディオちゅー後なんだけど、裏補足ね。
これは本当に裏補足で、気付けた人はいないと思うけど本当は作者解説するべきじゃないかな的な感じの事柄。
そういう解釈もある、って程度に受け止めてね、公式解釈じゃないよ。
っつうことで。
実は、ザンからディオの表情見えましたよね? 鏡化してますよね? ザンディオちゅー、クラシコから見えてると思います。
っつうわけで遊園地的妄想はおしまいなのだよ。
あー、楽しかった。
読んでくれてありがとね。ばいばい。
ちなみに今は1時半で、予定より30分遅れましたごめんね。
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