Lamp in S.B.S.
ネット物書き音沼紗春の日記。 日常と、文章について。 時々、サイトの更新情報。
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ちょーちょちょーちょ
というわけでまたまた密室真実しかもまたまた虹なのだよ。
さすがに同日に同じ虹はしないよ、ってことで。
こめこちゃんとこのブログでのお話「三神と愉快な仲間たち」からお借りします。
勝手にごめんなさいだぜ楽しかった!
色々と間違ってる可能性大いにありだけどごめんなさい。
文字数は2000文字ちょい。
なのでふ。
さすがに同日に同じ虹はしないよ、ってことで。
こめこちゃんとこのブログでのお話「三神と愉快な仲間たち」からお借りします。
勝手にごめんなさいだぜ楽しかった!
色々と間違ってる可能性大いにありだけどごめんなさい。
文字数は2000文字ちょい。
なのでふ。
・ひらりら
仕えている身である。だから普段は、広い縁側の真ん中を通ったりはしない。そこは主、位の高いお方が通るべき場所なのだ。仕えている身だから、隅を歩かねばならないのである。しかし、それでも道の真ん中を通るのはなぜか胸が躍る。壁と廊下が均一に両脇にそれていく、その真ん中一点の遠近法は、とても心をくすぐるのである。
だから、鳥羽は縁側の真ん中を歩いていた。
この家の主その人の側近であるから、他のものが見てもそれを咎める事はないだろう。気がつくかどうかも分からない。だが、鳥羽はあたりをうかがいながら、悪いことをしているかのように縁側の真ん中を歩んでいたのである。
突然、廊下の先に人が現れた。別の廊下と交差しているせいだ。人の姿を認めて、鳥羽は廊下の隅に寄ろうとした。しかし、その人がこちらへ向かってくるのを見て、真ん中へ戻った。一間よりも高い身長と、おかしな色をした髪の毛がまず目に入る。彼が部屋に入る時、額をぶつけちまえ、と度々思っているのは内緒だ。そのまじないは、効く時も効かない時もあった。ハトムギは、鳥羽をみて露骨に嫌そうな顔をした。
「……一人かい」
「ええ。貴方と同じで」
「ああ、ミシンも子守に疲れたんだね」
「そうですね、図体ばかりでかい子供は邪魔ですから」
バチバチ、と火花が飛びながら、その距離が縮まる。お互い、同時に立ち止まった。どちらも道を譲る気はない、という雰囲気だった。
「どけ、モス」
「わたしには職務がある。邪魔をしないでほしいですね」
人気のない縁側。廊下の丁度真ん中。火花がバチバチとはじけている。どこか遠くの方でししおどしがかこんと音を立てた。
先に手を出したのはハトムギだった。ししおどし、添水の音が鳴るのとほぼ同時に長い腕を高い位置から振り下ろす。鳥羽はそれが自分の頭に触れるより前に、真っ直ぐに突進した。そう力があるではないし助走も足りない、しかし鍛錬ばかりは人より多く積んでいる。背の大きなハトムギでも少しだけよろめいた。鳥羽は足を差し入れ、足払いをかける。そして数歩下がった。後ろ向きに倒れたハトムギは両手を突いて、勢いと腕の力を足してそのままバク転を決めた。膝を曲げて、ちゃんと天井に当たらないようにしている。だがそのせいで着地はしゃがみこむような態勢になる。すると、着地した瞬間に鳥羽が眼前に迫っていた。跳びながら大きく横に振った足がハトムギの頭めがけて飛んでくる。咄嗟に腕を伸ばして側頭部付近でその足を受ける。転がるようにして吹っ飛びながらも、着地する鳥羽の足めがけて足を伸ばした。ハトムギの足首の上に着地し、鳥羽は体勢を崩す。ハトムギは足に痛みを感じながらも心の中で喝采し、低い姿勢で体勢を整える。鳥羽は背中からすっ転んでいる。ハトムギは立ち上がりながら足も同時に振り上げ、転がっている鳥羽の頭めがけて振り下ろした。鳥羽はその降ってくる足に手を伸ばし、払いのけながら体を転がす。ハトムギの足が床の上に着地する。鳥羽はそれを見て素早く体を起こす。そこに、ハトムギのもう片方の足がぶっ飛んできた。咄嗟に腕で受けはしたが、思いっきり衝撃を食らった。宙に浮いてぶっ飛び、柱を割る勢いで頭をぶつけた。じーん、とその痛みが響いて涙がちょろっとあふれ出す。柱に身を預け、鳥羽が薄目を開けると、ハトムギの拳が柱にガンッと打ちつけられた。
「ざけんなガキ」
長い体を折るようにして、顔に影を作りながら鳥羽に向かってすごむ。鳥羽は思いっきりぶつけた頭を押さえながら、必死で睨み返す。だが生理現象として涙が出てきている。どう見ても鳥羽が敗者だった。それでも、鳥羽は負けを認めたくはなかった。ハトムギの高い鼻に向かって額を打ち付ける。うっ、とうめいたハトムギがのけぞりながらも鳥羽に手を伸ばす。鳥羽もそれに応戦しようとして、
「おーい」
声が聞こえた。二人は同時に手を止め、声のした方向へと振り向いた。二人ともうっすらと笑みを浮かべている。見える範囲に人の姿はない。だが、どこかの廊下の向こうから、確かに呼ぶ声がしていた。鳥羽もハトムギも一歩踏み出して、お互いににらみ合った。彼が、三神が呼んでいるのは自分だと、二人ともそう思っているのだ。
「おーい」
三神が呼ぶ。
「鳥羽ー?」
ハトムギが露骨にとても嫌そうな顔をした。鳥羽はぱっと笑顔を輝かせる。駆け出そうとした足の片方を、ハトムギが踏んだ。よろけて転ぶ。腹這いになったまま顔だけでハトムギを見上げる。とてもとても高い位置から、不機嫌に見下ろされている。鳥羽は体を起こしながら、足を伸ばしてハトムギの足を蹴ろうとするがひょいと避けられた。追撃が来る前に立ち上がって離れる。着物を直しながら半身でハトムギに振り返る。
「鳥羽ー、どこだー?」
まだ目尻に少しの涙を溜めながら、精一杯に勝ち誇った笑みを向ける。そして、足早に三神の声のほうへ向かった。ハトムギは不機嫌に不機嫌を重ねた表情でその背を見送る。舌打ちをしながら、力任せに床を踏みつける。
縁側の、廊下の端。鳥羽は音を立てずに素早く進む。主の呼ぶ声がする方へ。真ん中一点遠近法がどうしたというのか。主の声が聞こえている時点で、鳥羽には既に見慣れた家の作りなどまったく見ていないのだ。
どこか遠くで添水がかこんと音を立てた。
了
鳥羽が好き。や、あの子ショタ心くすぐるって。
鳥羽→三神な感じがいい。あ、恋愛抜きで。
というわけでハトムギとバトルしてみた。
久々に戦闘っぽい、時間が短いのに描写いっぱい必要だぜシーンを書いた。
ししおどしを辞書で調べたら詳しくはそーずなのだったので使ってみた。
子供っぽい鳥羽が好き。
真ん中歩くのがすきとか。がんばるけど負けちゃうあたりとか。やべきゅんときた。
ところで藤井三神とか書きたい。
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