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Lamp in S.B.S.

ネット物書き音沼紗春の日記。 日常と、文章について。 時々、サイトの更新情報。

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例によって

例によってレミネさんのためのブログと化してます。

密室真実虹ー。わーわー。

ひまつぶしに書いちゃった。妙に暗いです。
明るい話が書きたかったのに!

レミネさんとこの「竜シリーズ」っつうか「蒼狂学園」が元ネタ?
アレスたんアレスたん。




 時々、「人」というものの気持悪さに気がつく。
 大体そのきっかけは両親で、今日もそうだった。そのうち友人や他人まで気持ち悪く思えて、そして自分さえも気持ち悪くなってくる。そのころになると、飲み込むようにしてその感情を無理矢理止める。喉元でそれがねばりつくのを感じながら、はあ、と大きくため息をついた。自分の足元でぱたんぱたんとジュースのキャラクター柄のスリッパが音を立てる。
 自分の部屋のドアを開ける。既に外は暗い。部屋の中に青白い月明かりが差し込んできていた。本やら服やらが散らかっているのが見える。夜なのに、なぜこんなにも明るいのか。それを気持ち悪く思い始める前に後ろ手に扉を閉めた。ベッドの方に鞄を放り投げて電気のスイッチをつける。
「おうっ……、いたい、よ。あれ、何、真っ暗じゃん」
 アレスは驚いて飛び上がり、背後の扉にぶつかった。明滅しながら、ゆっくりと部屋の灯りがつく。ベッドの上、鞄の下に人間の肢体があった。細い線。もぞもぞと動いたそれは腹の上の鞄を抱いて丸くなった。
「ぐう」
「いや、寝んなよ」
 足元の教科書を足でどかしながらベッドに片手をつく。彼女が抱きかかえる鞄の紐をぐいぐいと引っ張ると、彼女はうっすらと目を開けた。
「お姉サン、起きろよ。ここ俺の部屋じゃん?」
「えー、ここはわたしのお家ですよー?」
 寝ぼけ眼、湿り気を帯びた瞳をこすりながら、彼女は笑った。アレスが鞄をどけると、起き上がろうとしてまた寝転がった。
「ぐう」
「だから寝るなってっ! つうかここ俺の部屋だから! 襲うぞ、いや今日こそは本気で。血のつながりがあったってひに」
「ぱーんち」
 彼女の肩近くに両手をついて見下ろしたアレスだが、腹に拳が飛んできた。身を引くと、彼女は起き上がってベッドから足を下ろした。
「あ、お帰り」
「あいあい、ただいマ」
 アレスは足元の教科書タワーを踏み倒しながら部屋を横切り、窓を開けた。風が入り込んできて体を撫でていった。涼しい、と彼女が笑う。
「てか何しにきたわけ? 俺のいない俺の部屋に」
「もちろんアレスたん待ってたのだぜ。おみやげおみやげ」
 嬉々とした表情の彼女は自分の手元に落ちていた一冊の本を拾うと、両手でアレスに差し出した。おみやげ? とアレスは心の中で呟いた。どこか、旅行にでも行っていたのだったか?
 雑誌。ビニールのカバーがついていて、冊子の横に青いテープが二つ止められている。表紙の真ん中でポーズをとる女性と目が合った。彼女の肩に、交通標識のようなものが書かれている。禁止のマーク。書いてあるのは「18」。
「エロ本かよっ!」
「ああもちろんともさ!」
 はっはっは、と愉快そうに笑う彼女は立ち上がって、教科書を服を踏みつけるようにしてドアノブをひねった。
 あ、行っちゃうんだ。
 心の中で呟いた。彼女は振り向いて微笑んだ。
 何も言わぬまま扉がぱたんと閉まって、スリッパのぱたんぱたんという音が遠ざかっていった。その音がジュースのキャラクター柄であることはわかっていた。持って行かれてしまったが、まあ、仕方がない。
 アレスはまだ体温の残るベッドの上に背中を押し付けた。温かい。彼女の温もりは、だがいつの間にか自分の温もりで上書きされてしまうのだろう。
 渡された雑誌のビニールを破いてテープをはがす。ぱらぱら、と適当にページをめくる。黒と、肌色が多い。妙にけばけばしい、そういう雑誌なのだった。ぱたんと閉じて、裏表紙にも素っ裸の女の子がいた。目が合う前に、その女の子の上に鞄を置いた。
 気持ち悪い。
 シャツの首元を握りしめた。一番上のボタンだって閉めていないのに、苦しく思えてくる。口をぽかりと開けて呼吸をする。気持ち悪い。
 他人という存在、人という存在、両親、血が、笑顔が、感情が、いくつもいくつもあることが、とても気持ち悪い。ここに感覚があることも。この体、足先から頭まで、この指先まで、気持ち悪い。
 苛立ちに任せて腕を振った。空っぽに近い鞄に当たった。はじけ飛ぶ鞄と、ひりひり痛む手の甲。ぼんやりと天井を見つめた。電気をつけているのに、なぜだか薄暗く思える。
 いつまでもこうしていたって、無駄だ。
 無理矢理に心の中で呟いて体を起こした。はあ、と思いため息。部屋を見渡して片付けなければいけないと思うが、宿題だってまともにやっていない。どちらが先だろう?
 立ち上がろうとして手をついたベッドの上で、雑誌が音を立てた。嫌なものを見るような目でそちらを一瞥する。ふと、雑誌の間から紙片が飛び出しているのがみえた。眉根をひそめてそれをつまむ。写真のようだった。抜きとって、表面を返した。
 クラス写真だ。1枚目の真面目なものではなくて、2枚目のくだけたもの。他のクラスどころか、他の学年までもが写真の枠の中ではしゃいでいた。担任やクラスメイトをはじめとして、知り合い皆が、写真の中で笑っていた。
 顔を上げて壁に目を向ける。その向こうの向こうのまた向こうにいるであろう、義理の姉。何故突然、こんなものを見せようと思ったのだろうか。
 写真に目を戻す。真ん中から少し右にずれた辺りで、アレスが笑っていた。友人に囲まれて、肩に触れ合いながら。そして、とても、楽しそうに。少し前の自分を指先で撫でる。爪よりも小さな頭。その枠におさまりきっていない笑顔。
 アレスはゆっくりと笑って、首元に手を当てた。喉の苦しさが消えているのを、確認する。






アレスさんの家庭は複雑なのだと思いますん。
え? 登場してる姉? もちろんわたsげふんげふんごめんなさい☆
腹違いなんだぜ。一応血縁、うふ。アレスもわtげふんも愛人の子で、本妻に子はいなくて、でも父親が死亡して、父親の秘書と本妻がらぶらぶでアレスとwげふんげふんと一緒に住んでるとかどうですか!
ちなみに多分お父様はどっかの社長様だと思いますん。

明るい話が書きたかった!
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うおあああ(ry

∑何てこったぱんなこった!(何
 ぼ、僕の為のブログですと何ですと!? いやそれはコメントを残さねばなるまい…!(何の使命感
 と言うかもううあああ。お久しぶりですこんにちは! こんな素敵な小説を書いて下さってありがとうございます! 早く気付けばよかったなぁくそうテスト期間め。うあぁぁ。

 と言うかもうアレスめぇぇぇぇ!! 紗春姉さんになんて事をてめぇぇえええ!!(おま
 あーでも感傷的なアレスも良いですね! と言うか紗春サンが書(描)いて下さるアレスが素敵。超絶素敵。うんうん。
 むしろ僕の代わりにアレス書いて下s(終了
 それにしてもアレスめちくしょおぉぉおおぃ!! 皆のあいどる紗春サンに何て事をぉぉおおぉぉい!!!ヽ(`Д´#)ノキィィィィィ(オチツケ
 そしてうああ! バイク! しかもリアルたん!!←
 幼女に優しいアレスが格好良かったです。(幼女ておま
 そして異質なかんじのりあるたんが可愛かったです。笑
 何よりもいいなぁ格好いいなぁれみねこ!!(ぉーぃ
 いやはや、本当、何か自分の小説の虹って書いて貰えるの嬉しいですね。びっくりです。素敵でした! ぎゃふんはぬん!(何
 本当にありがとうございました…! これで当分はチョコミント不足でも耐えられる。(何

 と言うかあれですね、キリ番アレス遅れててしまって本当に申し訳無いです。です。
 もう少し待ってやって下さいまし…! どんなの書こうかなぁと色々考え中です^ω^むふふ。

 ではでは、本当にありがとうございました! また是非に書いてやって下さいましvv
 乱文失礼しました! 
  • 世田谷レミネ
  • 2008/06/21(Sat)17:48:30
  • 編集

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