Lamp in S.B.S.
ネット物書き音沼紗春の日記。 日常と、文章について。 時々、サイトの更新情報。
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密室真実は3時間目
今日は密室真実以外も書くよ。
仕方がないので更新もしようかな、うん。
「夏の名残」についてはなんというか。
このタイトルやめたほうが良かったよね、いろんな意味で。
や、やめたほうが良かった理由を言ったら、それこそダメなんだ。
だから、まあ、気にしちゃいけないよ。
内容は、わたしが名古屋に行った時の実話。
2回目密室真実ー。3回目だよ。打ち間違いです。
推敲ほぼなし、適当掌編小説。
続きでどうぞ。
「白と黒」
仕方がないので更新もしようかな、うん。
「夏の名残」についてはなんというか。
このタイトルやめたほうが良かったよね、いろんな意味で。
や、やめたほうが良かった理由を言ったら、それこそダメなんだ。
だから、まあ、気にしちゃいけないよ。
内容は、
2回目密室真実ー。3回目だよ。打ち間違いです。
推敲ほぼなし、適当掌編小説。
続きでどうぞ。
「白と黒」
例えば。
片側一車線の両側通行の道路。
両端には幅2mほどの、一段高い歩道がある。
歩道と車道の間には等間隔でイチョウの木がつらなっている。
少女が歩道を歩いていて、そのことに車の運転手は気がつくだろうか。
NO,と答えてしまいそうになるが、おそらくYESだ。
よっぽどの初心者でもなければ、視界に入る全てを捕らえている。
だから、その少女が通り魔に刺されたなら、多くの人間が気がつくことになるのだろう。
だがしかし。
何故かはわからない。
歩行者は他に居なかったが、車はほとんど途切れることなく通っている。
だがしかし。
少女は忽然と、その場から姿を消すのだ。
「ひゃうっ!」
何故だろう。
アスファルトの上を普通に歩いていたはずなのに。
何故か途中で左足の下に体を支えてくれる固さがなくて。
そのまま落ちてしまった。
地上から落ちた、って……何事?
落ちていたのは、宙に浮いてたのはほんの一瞬で。
ばふん、とマットのようなところにお尻からぶつかった。
アスファルト色をした布が目の前を覆っている。
アスファルトに穴が開いていて、そこを隠すためにこの布があった、とでも言わんばかりだ。
何が起きたのかも知りたかったし、両腕を使って布から抜け出そうとするのだが。
大きな布らしく、すっぽり包まれてしまっている。
「なんなのよ、これはっ!」
ふと、その叫びにあわせるように、ふうん、という声がした。
動きを止める。
するとその声の主だろうか、誰かが布を上手に取り払ってくれた。
薄暗い、トンネルのような場所。
2人の少年がこちらを見ていた。
「マジで普通の子じゃん?」
「間違いの可能性もあるけどね。資料の子ではあるけど」
白髪と、黒髪の少年だった。
髪の長さは、そう、少女マンガの男の子みたいな感じ。
男の子としては長めで、綺麗な白と、綺麗な黒。
瞳は2人とも灰色で、ぴったりした感じの黒い袖なしを着て、動きやすそうな深緑のハーフパンツに、こげ茶色のブーツを履いている。
なんというか、かっこいい2人だった。
印象は似ているが、白髪の方が落ち着いた雰囲気で、黒髪の方が破天荒な雰囲気だ。
「で、お嬢ちゃんが本当に、サツキ教授の娘なわけっすか?」
白髪の方が、眉根をひそめて聞く。
きょとんとするしかない。
確かにわたしは、サツキ・ヤヨイといって両親もサツキさんだけど。
「ヤヨイさんだね? お父さんはナガツキさんで間違いない?」
黒髪の方が、丁寧な物言いで聞く。
不良座りの白髪と、腕を組んで立っている黒髪。
どうやら雰囲気とは逆の性格をしているらしい。
うなずきながらそう思い、黒髪の方に助け起こされながら、辺りを見回す。
「この世にはアンダーグラウンドな世界があってね。君のお父さんに関連して、君に協力を願いたいんだ」
首をかしげて眉をひそめる。
まあ、確かにここは下水道とかではないようだけれども。
「そーそー。それに、ここで協力を拒んでも、どうせ帰れないっしょ? 素直に協力しとけ、って。別に死にゃあしねえって。多分」
白髪がひひひ、と笑った。
黒髪がとがめるように白髪に少し視線を向けるが彼はいっそう笑った。
わかりました、と歯切れ悪く言うと、白髪が「それでよし」と言い、黒髪が「どうもありがとう」と言った。
じゃあ行こう、と2人が歩き出したところで、あの、と声をかける。
2人が同時に振り向いて、かっこいいな、と一瞬見とれた。
「あ、え、ええと。2人の、お名前は……?」
ああ、と納得したような表情で黒髪が笑う。
「髪の色そのままで、クロとシロと呼んでくれればいいよ」
クロとシロ、と繰り返して呟き、ペットみたいな名前だ、と眉根をひそめる。
それに気がついたのか、クロはくすりと笑った。
そしてシロが口を開く。
「俺らの名前、呼び分けにくいんだよ。だから、何? 通称? あだ名?」
「本当の名前は?」
「リディカとディリカ」
シロが言いながら指差してくれた。クロが前者で、シロが後者だ。
「り? でぃ?」
「そう、聞き取れないだろ? 言うのも難しいと思うよ」
「りりか。……でぃでぃか。ぢりか」
何度か言いながら試してみるが、自分では多少わかる程度の言い分けしかできない。
2人が歩き出したので、それについて歩き出す。
ふと、両腕を頭の上で組んだディリカ、シロが「まあ」と呟いた。
「俺がデイ、クロがアール、って呼び方もあるけどな」
「ディーじゃなくてデイ、ね。ディーだとリィにも聞こえて、俺の愛称になるんだ」
「とまあ、シロクロが一番良いわけだなあ。ああ、本当の名前を捨てて生活する俺達っ。なんだかかっこいいなあ……」
くるくる回りながら進むシロに少し面食らっていると、クロがそっと微笑んだ。
どっちもかっこいいけど、クロのほうが大人な感じで、素敵かもしれない。
ところで、両親は共に他界したはずだ。
父が、このアンダーグラウンドな世界にいるとは、はて、どういうことだろう?
まだわたしは、何も知らない。
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